【登録販売者】第3章 主な医薬品とその作用”胃の薬”についての独学勉強法!

登録販売者試験の胃の薬について解説

こんにちは、医療事務兼登録販売者のサトヨと申します。

こちらの記事では、登録販売者試験対策の第3章にあたる『胃の薬』について解説しております。

私は独学で登録販売者試験に合格いたしまして、テキスト4冊とYouTubeを使って学習しました。
大事なポイントを押さえ、スクロール形式で、みなさまの学習がはかどるよう記事をまとめましたので、宜しかったら活用していただけると幸いです。

胃の薬は風邪薬と同様、色々な成分が配合されており、覚えることが多いため、苦手意識を持たれる方もいらっしゃるかと思います。胃のお薬は、主に3種類の働きに分類出来ます。その3種類の働きを中心に学習し、どの成分名がどんな働きをするのか覚えましょう。

それでは解説に入らせていただきます。

目次

【登録販売者】胃の薬 市販薬を参考にした成分表

実際、市販薬にはどのようにお薬が配合されているのか見てみましょう

注:あくまでも、どのような作用の成分が入っているのかご参考にして下さい。商品名(バファリンA・バファリンライトなど)によって、配合されている成分・成分量は変わります。

【太田胃散】

       成分             成分名成分量
制酸成分炭酸水素ナトリウム
制酸成分重質炭酸マグネシウム
健胃成分ケイヒ
健胃成分センブリ
消化成分プロザイム
【太田胃酸】の添付文書

【パンシロン】

         成分            成分名成分量
制酸成分水酸化マグネシウム
制酸成分沈降炭酸カルシウム
胃粘膜保護・修復成分アルジオキサ
胃液分泌抑制成分ピレンゼピン
【パンシロン】の添付文書

成分一覧から、答える問題が増えてきています
お薬を販売する上で、飲み合わせ・副作用の観点から添付文書を確認することはとても重要なことです。

【登録販売者】胃の薬の働き 主たる3つの働き

登録販売者:①制酸成分

制酸成分

胃酸を抑える(胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ等の症状を緩和する)

            成分名             特徴
炭酸水素ナトリウム中和反応によって、胃酸の働きを弱める
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム中和反応によって、胃酸の働きを弱める
乾燥水酸化アルミニウム中和反応によって、胃酸の働きを弱める
胃の薬に配合される制酸成分表

透析をうけている場合は、アルミニウムを含む制酸成分を長期服用すると、アルミニウム脳症・アルミニウム骨症を起こすことがあります。
腎臓病の診断を受けた人は、ナトリウム・マグネシウム・アルミニウム等の排泄が遅れたり、貯留しやすくなりますので、服用する際は注意が必要です。

透析とは・・腎臓が悪い方は血液をきれいにすることが困難になってしまいます。そこで、人工的に(機器を用いて)血液中の余分な水分や老廃物を取り除き、腎臓に代わって血液をきれいにする治療法を透析といいます。

酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が低下してしまいますので、炭酸飲料等は摂取を控えた方が良いです。

サトヨ

ナトリウム・マグネシウム・アルミニウムは金属です。
金属で酸の働きを弱める・・まさに化学ですね。

登録販売者:②健胃成分

健胃成分

味覚や嗅覚を刺激して、唾液や胃液の分泌を促し、弱った胃の働きを高める

健胃成分は主に生薬成分となります。生薬の苦味・香りを利用して、唾液・胃液を分泌させます。

           生薬成分名            素材
オウレン根茎
オウバク樹皮
センブリ
リュウタン根・根茎
ユウタンヒグマその他近縁動物の胆汁
胃の薬に配合される生薬(健胃成分)

覚えやすくなれば嬉しいなと思いまして、成分名に照らし合わせてイラストを載せてみました。

サトヨ

生薬は、根や草が多いので、ユウタン=ヒグマは覚えやすいですね。
『ユウタン』試験によく出ます!

健胃成分である生薬は、オブラートに包んで服用すると、苦味や香りを遮断しています。
効果が期待出来なくなってしまうので、オブラートは使用せず服用します。

生薬以外の健胃成分

     成分名                働き
乾燥酵母胃腸の働きに必要な栄養素を補給
カルニチン塩化物胃液分泌を促し、胃の運動を高める・胃壁の循環血流を増やす
胃の薬に配合される生薬以外の健胃成分表
サトヨ

乾燥酵母とは・・パン酵母(イースト)を乾燥したものをいいますが、薬用ですと、ビール酵母を乾燥し粉末にしたものをいいます。

登録販売者:③消化成分

消化成分

炭水化物、脂質、タンパク質の分解に働く酵素を補って消化を助ける

成分名注意
ジアスターゼ(酵素)
リパーゼ(酵素)
セルラーゼ(酵素)
プロザイム(酵素)
ウルソデオキシコール酸(利胆成分が消化を助ける)肝臓病の診断を受けた方
デヒドロコール酸(利胆成分が消化を助ける)肝臓病の診断を受けた方
胃の薬に配合される酵素(消化成分)
サトヨ

プロザイム以外は、『⚪︎⚪︎ーゼ』とついています。
『⚪︎⚪︎ーゼ』と成分名についていたら酵素だなと思ってください。
『⚪︎⚪︎コール酸』は利胆成分で肝臓病の方は注意が必要ですね!

【登録販売者】胃の薬の働き 主たる3つの働き以外

登録販売者:胃粘膜保護・修復成分

  • 胃粘膜を覆って胃液による消化から保護する
  • 荒れた胃粘膜の修復を促す
   成分名                    注意
アルジオキサアルミニウムを含むため、透析患者は使用を避ける
アルミニウムが体内に貯留されやすいため、腎臓病の人は医師に相談
スクラルファートアルミニウムが体内に貯留されやすいため、腎臓病の人は医師に相談
ソファルコン肝臓病の方は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害を生じる
テプレノン肝臓病の方は、まれに重篤な副作用として、肝機能障害を生じる
下痢・吐き気・腹痛・頭痛・腹部膨満感に注意
セトラキサート代謝によってトラネキサム酸を生じる
※トラネキサム酸(抗炎症成分)は止血効果がある薬のため、血栓のある方は服用に注意
胃の薬に配合される胃粘膜保護・修復成分表

登録販売者:抗炎症成分

  • 胃粘膜の炎症を和らげます
主な成分名注意
グリチルリチン酸二カリウム偽アルドステロン症を生じる
胃の薬に配合される抗炎症成分名
おさらい

偽アルドステロン症とは・・アルドステロンが増えていないにも関わらず、グリチルリチンを大量に摂取すると、塩分と水が貯留し、体からカリウムが失われて、血圧上昇・歩行困難等、様々な病態を引き起こします。

登録販売者:消泡成分

  • 消化管で作られたガスによるお腹の張りを抑えます
成分名
ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)
胃の薬に配合される消泡成分名

登録販売者:胃液分泌抑制成分(抗コリン成分)

  • アセチルコリン(副交感神経の伝達物質)の働きを抑制し、過剰な胃液の分泌を抑えます
      成分名                 特徴
ロートエキス 吸収された成分の一部が母乳中に移行して、乳児の脈が速くなることがあるので、授乳中は使用をさける。
ピレンゼピン消化管の運動には影響を与えず、胃液の分泌を抑える
胃の薬に配合される胃液分泌抑制成分表
サトヨ

ピレンゼピンの『消化管の運動には影響を与えず〜』は、よく試験問題に出てきます。『消化管の運動には影響を与えず〜』と問題に出てきたら、ピレンゼピンだ!と思い出してください。

おさらい

抗コリン成分の副作用は・・抗コリン成分は副交感神経の伝達物質を抑制するため、交感神経が優位に立ちます。
交感神経が優位に立つと、尿が出にくくなり、心拍が速くなるため動悸や頻脈が起こります。瞳孔も開くので、異常な眩しさを生じるため運転が危険になります。眼圧も上がりますので、緑内障の方は症状の悪化を招きます。

【登録販売者】胃の薬についてのまとめ

胃の薬の作用は、主に3つです。制酸成分は、マグネシウム・ナトリウム・アルミニウム等の金属からなり、健胃成分は生薬成分が主体です。消化成分は酵素が出てきます。それぞれの働きと全く異なる成分を知ると、色々な成分が配合された胃の薬も幾分覚えやすくなります。抗コリン成分が出てきますので、副作用をしっかり確認しましょう。

最後まで、お読みいただきありがとうございます。本日も学習お疲れ様でした。

独学では自信がないと思われた方は、下記の記事をご参考にしてみてください。

登録販売者試験の胃の薬について解説

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