【登録販売者】第3章 主な医薬品とその作用”解熱鎮痛剤”についての独学勉強法!

登録販売者試験の解熱鎮痛薬について解説

こんにちは、医療事務兼登録販売者のサトヨと申します。

こちらの記事では、登録販売者試験対策の第3章にあたる『解熱鎮痛剤』(解熱剤)について解説しております。

私は独学で登録販売者試験に合格いたしまして、テキスト4冊とYouTubeを使って学習しました。
大事なポイントを押さえ、スクロール形式で、みなさまの学習がはかどるよう記事をまとめましたので、宜しかったら活用していただけると幸いです。

では、解説を始めさせていただきます。

目次

【登録販売者】解熱鎮痛剤とはプロスタグランジンの産生を抑える!

⚪︎病気や外傷を治すものではない

⚪︎発熱や痛みを緩和するために使用

⚪︎プロスタグランジンを産生を抑える

⚪︎抗炎症作用

サトヨ

解熱鎮痛成分は風邪薬にも配合されています。
重複して服用しないよう注意が必要です。

【登録販売者】解熱鎮痛剤 市販薬を参考にした成分表

実際、市販薬にはどのようにお薬が配合されているのか添付文書を見てみましょう

注:あくまでも、どのような作用の成分が入っているのかご参考にして下さい。商品名(例:バファリンA・バファリンライトなど)によって、配合されている成分・成分量は変わります。

バファリン】

       成分           成分名
成分量
解熱鎮痛成分イブプロフェン     −
解熱鎮痛成分アセトアミノフェン     −
中枢神経興奮成分無水カフェイン     −
鎮痛成分アリルイソプロピルアセチル尿素     −
制酸成分乾燥水酸化アルミニウムゲル     −
【バファリン】の添付文書

【イブ(EVE)】

       成分             成分名    成分量
解熱鎮痛成分イブプロフェン    −
中枢神経興奮成分無水カフェイン    −
鎮痛成分アリルイソプロピルアセチル尿素    −
制酸成分酸化マグネシウム    −
【イブ(EVE)】の添付文書

成分一覧から、答える問題が増えてきています
お薬を販売する上で、飲み合わせ・副作用の観点から添付文書を確認することはとても重要なことです。

ロキソニンは解熱鎮痛薬として有名ですが、第1類医薬品であり、薬剤師しか販売出来ませんので、資料として記載しておりません。

登録販売者:痛みと熱の原因

どうして痛みが出るの?

病気や怪我などに対する警告です
(痛みがあると、そこを治そうを気付くことが出来ます)

どうして熱が出るの?

ウイルスや細菌などの感染に対する防御機能
身体を温めることによりウイルス・細菌等を倒そうとします

サトヨ

気温の低い冬に風邪やインフルエンザが流行りやすいですよね。

                    

病気や外傷があるときに活発に産生される物質・・ プロスタグランジン(PG)という名の物質があります。
プロスタグランジンが体を守るため活発になると体にいろいろな症状が出ます。

プロスタグランジン(PG)とは

  • ホルモンに似た物質です

・痛みの感覚を強める
・熱を上げる
・胃粘膜の保護する
・血流量の調節

解熱剤はこのプロスタグランジンの産生を抑えることにより、痛みと熱を緩和します!

解熱剤によってプロスタグランジンの産生を抑えると

  •  ・鎮痛
  •  ・解熱
  •  ・胃粘膜障害を起こす
  •  ・血流量が阻害される
    (循環血流量が増して心臓に負担がかかり、腎血流量が減少し腎臓障害が悪化する)

痛みや熱を緩和することが出来ますが、胃に負担がかかってしまいます

プロスタグランジン
プロスタグランジンの産生を抑える
(解熱鎮痛薬の働き)
  • 痛みを強める
  • 熱を上げる
  • 胃粘膜の保護
  • 血流量を調節
  • 子宮の収縮に関与
  • 痛みを弱める(鎮痛)
  • 解熱
  • 胃腸障害を起こす
  • 血流量の調節出来ず、心臓・腎臓に負担がかかる
  • 月経痛が和らぐ

【登録販売者】解熱鎮痛剤に配合される解熱鎮痛成分

解熱鎮痛成分:熱や痛みを鎮める

主な成分注意
アスピリン(サリチル酸系)15歳未満の小児使用✖️
出産予定日12週以内の妊婦使用✖️
サザピリン(サリチル酸系)15歳未満の小児使用✖️
エテンザミド(サリチル酸系)インフルエンザ・水疱瘡時、15歳未満の小児は医師に相談
サリチルアミド(サリチル酸系)インフルエンザ・水疱瘡時、15歳未満の小児は医師に相談
イブプロフェン15歳未満の小児使用✖️
出産予定日12週以内の妊婦使用✖️
アセトアミノフェン                  −
解熱鎮痛成分表

サリチル酸系の解熱鎮痛成分は、ライ症候群を引き起こすことが示唆されています。
⚪︎⚪︎ピリン、⚪︎⚪︎ミドがつく成分は、サリチル酸系の解熱鎮痛成分です。
ライ症候群とは:小児が水痘やインフルエンザ等のウイルス性疾患にかかっているときに、突然激しい嘔吐や意識障害、痙攣等の重篤な脳症状を起こして短時間で死亡することが多い疾患(急性脳症)

サトヨ

解熱鎮痛成分は、特に年齢に注意が必要ですね。

よく試験に問われる5つの成分について特徴を解説いたします。

アスピリン

  • 胃腸障害を起こしやすい
  • 血液を凝固しにくくさせる
  • アスピリン喘息
  • 肝機能障害を生じる

アスピリン喘息(解熱鎮痛薬を服用することで、喘息発作を主体とする症状があわられる病気)は、アスピリン特有の副作用ではなく、他の解熱鎮痛成分でも生じます。

エテンザミド

痛みの発生を抑えるより、痛みの伝わりを抑える働きをする

サトヨ

アセトアミノフェン・カフェイン・エテンザミドの組み合わせは、ACE処方(エース処方)と呼ばれています。

ACE処方されている市販薬の参考写真
ACE処方【ノーシン】の写真

イブプロフェン

  • 消化管粘膜の防御機能を低下させる
    胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎またはクローン氏病の既往歴がある人は再発の危険がある
  • 肝機能障害腎障害を生じる

イソプロピルアンチピリン

  • 唯一のピリン系解熱鎮痛薬(アスピリン・サザピリンは非ピリン系です)
  • 解熱・鎮痛作用は比較的強いが、抗炎症作用が弱く、他の解熱鎮痛薬と組み合わせて配合される
  • 副作用にピリン疹がある

アセトアミノフェン

  • 中枢で作用する
  • 抗炎症作用は期待できない
  • 肝機能障害腎障害を生じる
アセトアミノフェン単剤(市販薬)
アセトアミノフェン単剤(市販薬)
アセトアミノフェン単剤(市販薬)
サトヨ

『カロナール』は、アセトアミノフェン単剤の医療用医薬品になります。

【登録販売者】解熱鎮痛解熱鎮痛成分以外の成分は主に5つ

①鎮静成分 : 鎮痛作用を補助する

成分名
ブロモバレリル尿素
アリルイソプロピルアセチル尿素
解熱鎮痛薬に配合される鎮静成分表

②筋弛緩成分:筋肉のこりを和らげる・鎮静作用あり

成分名注意
メトカルバモール眠気、めまい、吐き気、嘔吐等の症状が現れることがある
解熱鎮痛薬に配合される筋弛緩成分名
サトヨ

メトカルバモールは解熱鎮痛薬にしか出てきません。
魔法の呪文のような成分名ですね。

③カフェイン類 : 鎮痛作用を高める

成分名注意
安息香酸カフェイン鎮静成分による眠気を解消するものではありません
無水カフェイン鎮静成分による眠気を解消するものではありません
解熱鎮痛薬に配合される中枢神経興奮成分表

カフェインは1回摂取量は200㎎、1日摂取量は500㎎が上限となっています

④制酸成分 : 胃腸障害を軽減

プロスタグランジンの働きを抑えたことによって起こる、胃粘膜障害を軽減するために配合されています。制酸成分は中和反応によって胃酸の働きを弱め胃腸障害を緩和しますが、胃腸症状に対する薬効は標榜出来ません

成分名
酸化マグネシウム
水酸化アルミニウムゲル
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
解熱鎮痛薬に配合される制酸成分表

⑤ビタミン成分:発熱によるビタミン消耗を補う

フルスルチアミン(ビタミンB1)
リボフラビン(ビタミンB2)
アスコルビン(ビタミンC)
解熱鎮痛薬に配合されるビタミン成分表

【登録販売者】解熱鎮痛薬の副作用

  • 循環血流量の増加により、心臓に負担がかかる
  • 腎血流量の減少により、腎臓に負担がかかる
  • 肝機能障害があるある場合、症状が悪化する
  • 胃・十二指腸潰瘍の症状が悪化する

心臓病 腎臓病 肝臓病 胃・十二指腸潰瘍

〈重篤な副作用〉
アナフィラキシー・皮膚粘膜眼症候群・中毒性表皮壊死融解症・喘息

登録販売者:解熱鎮痛薬の注意事項

・発熱や痛みを一時的に抑えるものであって、38度以下なら服用する必要はないとされています。
・症状が現れないうちに予防的に使用してはいけません
・連用によって、頭痛の場合、常態化してしまうことがあります。

【登録販売者】解熱鎮痛剤についてのまとめ

コロナワクチン予防接種後、発熱を訴えて、市販の解熱鎮痛薬を希望される方が増えました。
風邪薬同様、ドラックストアではよく出る・よく質問されるお薬ですので、解熱鎮痛薬はどのような仕組みで作用し、どのような副作用があるのかを理解し覚えましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。本日も学習、お疲れ様でした。

登録販売者試験の解熱鎮痛薬について解説

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