こんにちは、医療事務兼登録販売者のサトヨと申します。
こちらの記事では、登録販売者試験対策の第3章にあたる『鎮咳去痰薬』について解説しております。
私は独学で登録販売者試験に合格いたしまして、テキスト4冊とYouTubeを使って学習しました。
大事なポイントを押さえ、スクロール形式で、みなさまの学習がはかどるよう記事をまとめましたので、宜しかったら活用していただけると幸いです。
咳が出る・痰が出ると、風邪薬(総合感冒薬)を選んでしまいがちですが、咳や痰の症状が強い場合は、『鎮咳去痰薬』を選択し、つらい症状をピンポイントで抑えてあげると早く楽になります。
それでは解説に入ります。
【登録販売者】咳と痰が出る仕組み
⚪︎気道粘膜の繊毛運動によって、排出できなかった異物を外に出そうとする働きが『咳』です。
⚪︎気道粘膜から分泌された粘液に、異物が混じり合ったものが『痰』です。
何とか異物を外に出そうと体は頑張っているのですね
【登録販売者】鎮咳去痰薬とは咳を鎮め・痰を取り除くお薬
咳を鎮め・痰を取り除くお薬です。
また、気道粘膜の炎症に伴って、気管や気管支が収縮し、息切れしたり、喉がゼーゼーと鳴ったりします。喘息が起こることもあります。鎮咳去痰薬には、気管支を広げる成分も配合されています。
咳が出るということは、体の防御反応です。
むやみに咳を抑え込むべきではないのですが、咳が続くと体力の消耗や睡眠不足を招いてしまいます。
そのため、咳を抑え、痰を出しやすくし、気管支を広げ、体を楽にしてあげます。
咳を1回するごとに、約2kcal消費するそうです。
【登録販売者】鎮咳去痰薬 市販薬を参考にした成分表
実際、市販薬にはどのようにお薬が配合されているのか見てみましょう!
注:あくまでも、どのような作用の成分が入っているのかご参考にして下さい。商品名(例:バファリンA・バファリンライトなど)によって、配合されている成分・成分量は変わります。
【エスエスブロン錠 せき・たんに】
成分 | 成分名 | 成分量 |
鎮咳成分 | ジヒドロコデイン | − |
アドレナリン作動成分 | メチルエフェドリン | − |
抗ヒスタミン成分 | クロルフェニラミンマレイン | − |
中枢神経興奮成分 | 無水カフェイン | − |
【クールワンせき止め】
成分 | 成分名 | 成分量 |
鎮咳成分 | ジヒドロコデイン | − |
アドレナリン作動成分 | メチルエフェドリン | − |
抗炎症成分 | トラネキサム酸 | − |
去痰成分 | カルボシステイン | − |
抗ヒスタミン成分 | クロルフェニラミンマレイン | − |
【登録販売者】鎮咳去痰薬の成分
配合されている成分を覚えましょう!
風邪薬に入っていた成分も出てきますので、風邪薬を勉強された方は復習になりますね。
登録販売者:鎮咳成分
- 中枢神経系(延髄の咳嗽中枢)に作用して咳を抑える
延髄には・・咳を調節する咳嗽中枢・心拍数を調節する心臓中枢・呼吸を調節する呼吸中枢・吐き気、嘔吐を調節する嘔吐中枢があります。
麻薬性鎮咳成分
- 依存性があり、副作用として便秘が起こる
成分名 | 注意 | 副作用 |
---|---|---|
コデイン | 依存性あり | 便秘 |
ジヒドロコデイン | 依存性あり | 便秘 |
非麻薬性鎮咳成分
成分表 |
---|
ノスカピン |
デキストロメトルファン |
登録販売者:アドレナリン作動成分
- 交感神経を刺激して、気管支を拡張させる
成分名 | 注意 |
---|---|
メチルエフェドリン | 依存性あり |
トリメトキノール | − |
メトキシフェナミン | − |
メチルエフェドリンはよく問題に出題されます!
アドレナリン作動成分とは、交換神経の働きを強める成分です。交感神経が優位に立つと、気管支が拡張し、呼吸が楽になりますが、心拍数が上がったり、眼圧が上がったり、尿が出づらくなったりします。
登録販売者:キサンチン系成分
- 自律神経を介さず、気管支の平滑筋に直接作用し、弛緩(ゆるめる)させて気管支を拡張させる成分
成分名 |
---|
ジプロフィリン |
自立神経を介さず〜と問題に出てきましたら、ジプロフィリンです!
登録販売者:去痰成分
- 痰の切れをよくする
同じ去痰成分でも、作用が異なります。作用も一緒に覚えましょう。
成分名 | 作用 |
---|---|
成分名 | 作用 |
グアイフェネジン | 気道粘膜から粘液の分泌を促進する |
グアヤコールスルホン酸カリウム | 気道粘膜から粘液の分泌を促進する |
メチルシステイン | 痰の中の粘性を減少させる |
カルボシステイン | 粘液成分の含量比を調節 |
ブロムへキシン | 分泌促進・繊毛運動促進 |
去痰成分は。『グア』『システイン』がつく成分が多いです!
登録販売者:抗炎症成分
- 気道の炎症を和らげる
成分名 | 注意 |
---|---|
トラネキサム酸 | 血栓のある人は専門家に相談 |
グリチルリチン酸二カリウム | 偽アルドステロン症を生じることがある |
偽アルドステロン症とは・・アルドステロンが増えていないにも関わらず、グリチルリチンを大量に摂取すると、塩分と水が貯留し、体からカリウムが失われて、血圧上昇・歩行困難等、様々な病態を引き起こします。
登録販売者:抗ヒスタミン成分
- アレルギーに起因する咳、気道の炎症、喘息に対して、鎮咳成分・気管支拡張成分・抗炎症成分の働きを助ける
成分名 |
---|
クロルフェニラミンマレイン |
抗ヒスタミン成分とは、身体を守るために働く物質ヒスタミンをブロックして、過剰な防御反応を抑制する成分です。
【登録販売者】鎮咳去痰薬以外の呼吸器官に作用する薬
登録販売者:口腔咽喉薬・うがい薬(含嗽薬)
口腔咽喉薬(こうくういんこうやく)
- 口腔内・咽頭部の粘膜に局所的に作用して、炎症による痛みや腫れを緩和する
・トローチ
・ドロップ剤
・噴霧または塗布する外用液剤
含嗽薬(がんそうやく)
- 口腔や咽頭の殺菌・消毒・洗浄
・水に融解してうがいに使用する外用液剤
・塗布してうがいをする外用液剤
口腔咽喉薬・うがい薬の成分
成分 | 成分名 |
---|---|
抗炎症成分 | トラネキサム酸 |
抗炎症成分 | グリチルリチン酸二カリウム |
殺菌消毒成分 | ポビドンヨード(ヨウ素系殺菌消毒成分) |
殺菌消毒成分 | クロルへキシジン |
殺菌消毒成分 | ベンゼトニウム |
殺菌消毒成分 | セチルピリジニウム |
局所保護成分 | グリセリン |
風邪薬では出なかった殺菌消毒成分・局所保護成分ですが、他のお薬でまた登場しますので、ここで覚えられるとあとが楽になります。
口腔咽喉薬・うがい薬の注意事項
- 局所的作用を目的とするが、全身的な影響を生じることがある
- 鎮咳成分・気管支拡張成分・去痰成分は配合されていない
・トローチ剤やドロップ剤は、噛まずにゆっくり舐める
・噴射式の液剤は、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴霧する
・含嗽薬は、濃すぎても薄すぎてもコウカが十分に得られない
・含嗽薬の使用後はすぐ食事を摂らない
私は薬の効きめを強くしたくて、うがい薬を濃く作っていました。。。
【登録販売者】鎮咳去痰薬についてのまとめ
咳が続くと、話すことも大変ですし、呼吸器以外にも、背中の筋肉が痛くなったり、体力も消耗してしまい、全身つらいものです。
鎮咳去痰薬は、咳を一旦止め、痰を出しやすくしたり、気管支を拡張して呼吸を楽にしてくれます。
咳は、身体を守る防御反応ですので、市販薬を数日服用しても咳が改善されない場合は、症状が悪化していたり、他の疾病も考えられます。市販薬の長期連用はさけ、医療機関を受診するのことも大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。本日も学習、お疲れ様でした。