こんにちは、医療事務兼登録販売者のサトヨと申します。
こちらの記事では、登録販売者試験対策の第3章にあたる『腸の薬』について解説しております。
私は独学で登録販売者試験に合格いたしまして、テキスト4冊とYouTubeを使って学習しました。
大事なポイントを押さえ、スクロール形式で、みなさまの学習がはかどるよう記事をまとめましたので、宜しかったら活用していただけると幸いです。
腸は小腸・大腸に分かれ、小腸では主に栄養分を吸収し、大腸では水分と電解質を吸収して、固形状の糞便を形成しています。腸の働きは、自律神経系により制御されているため、腸以外の病気などが自律神経系を介して、腸に異常を生じさせることもあります。腸の働きを復習してから、腸のお薬へと学習を進めてみましょう。
それでは解説に入らせていただきます。
【登録販売者】腸の働き
小腸・大腸は、部位によって名前が変わるのが特徴です。
そこで、腸の薬に入る前に、少しだけ第2章のおさらいをしたいと思います。
小腸・大腸について知識は完璧!ということは飛ばしてください。
【小腸】
小腸では、酵素によって内容物が消化され、栄養分が吸収されている
・全長6から7mの筒状の臓器
・十二指腸・空腸(十二指腸に続く上部40%)・回腸(十二指腸に続く上部60%)の3部分に分かれる
・内壁(十二指腸の上部は除く)には輪状のひだがある
・絨毛がある
ちなみに消化管(口腔から肛門まで)は9mでしたね
【大腸】
腸内細菌によって食物繊維を発酵分解したり、血液凝固や骨のカルシウム定着に必要なビタミンKなどの物質を産生するほか、糞便を形成し、便意を起こします。
・盲腸・虫垂・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸からなる
・絨毛がない
・消化はほとんど行われない
・血液凝固などに関するビタミンK等の物質を産生
【登録販売者】腸の薬 市販薬を参考にした成分表
実際、市販薬にはどのようにお薬が配合されているのか見てみましょう!
注:あくまでも、どのような作用の成分が入っているのかご参考にして下さい。商品名(例:バファリンA・バファリンライトなど)によって、配合されている成分・成分量は変わります。
【ビオスリー】
成分 | 成分名 | 成分量 |
整腸成分 | 酪酸菌 | − |
整腸成分 | ラクトミン | − |
整腸成分 | 糖化菌 | − |
【ビオフェルミン止瀉薬】
成分 | 成分名 | 成分量 |
収斂成分 | タンニン酸アルブミン | − |
抗コリン成分 | ロートエキス | − |
整腸成分 | フェーカリス菌末(乳酸菌) | − |
整腸成分 | ゲンノショウコエキス(生薬) | − |
【コーラック】
成分 | 成分名 | 成分量 |
刺激性瀉下成分 | ビサコジル | − |
潤滑性下剤 | ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS) | − |
【登録販売者】腸の薬の働き 主な3つの働き
大まかに腸のお薬は、整腸薬・止瀉薬・瀉下薬に分類されます。それぞれの薬の役割には、色々な成分が入っているものがありますので、大変ですが頑張って覚えましょう。
登録販売者 : ①整腸薬
腸の調子を整える
成分名 | 成分 | 特徴 |
---|---|---|
整腸成分 | ビフィズス菌 | 腸内細菌のバランスを整える |
ラクトミン | ビフィズス菌 | 腸内細菌のバランスを整える |
乳酸菌 | ビフィズス菌 | 腸内細菌のバランスを整える |
酪酸菌 | ビフィズス菌 | 腸内細菌のバランスを整える |
トリメブチン | 胃・腸の平滑筋に直接作用して、消化管運動を調節 | |
ゲンノショウコ(生薬) | 整腸・腹部膨満感 |
ビフィズス菌・乳酸菌と聞くとヨーグルトが連想されます。
登録販売者:②止瀉薬(下痢止め)
下痢、食あたり、吐き下し、水あたり、下り腹等に用いられます
成分 | 成分名 | 特徴・注意 |
---|---|---|
収斂成分(腸粘膜を引き締める) | 次没食子酸ビスマス |
|
タンニン酸アルブミン | 牛乳に含まれるタンパ質から精製されるため、 牛乳アレルギーの人は使用を避ける | |
下痢止め成分 | ロペラミド | 食あたりに適用しない |
腸内殺菌成分(細菌感染による下痢を鎮める) | 木クレオソート | |
タンニン酸ベルベリン | ※収斂成分のタンニン酸アルブミンと名前が似ている(しっかり区別して覚える) | |
吸着成分 | 炭酸カルシウム |
・最近性の下痢や食中毒の場合、症状を悪化させていまう(激しい下痢や嘔吐は注意)
・下痢は体の防御反応なので、安易に使用しない
・ビスマスは長期連用すると、精神神経症状が現れる
私は、止瀉薬の『止』は、下痢を『止める』と覚えました。
下痢は脱水症状を招くので、水分・電解質の補給も大切です。
登録販売者 : ③瀉下薬(便秘薬)
便秘、腸内容物の排除に用いられる
分類 | 配合成分 | 特徴・注意 |
---|---|---|
刺激性瀉下成分 (小腸) | ヒマシ油 | 腸内容物の急速な排除を目的とする 妊婦・授乳中・3歳未満の乳幼児は使用避ける |
刺激性瀉下成分 (大腸) | センナ (生薬) | 大腸にいる腸内細菌によって分解され、分解性生物が大腸を刺激する |
刺激性瀉下成分(大腸) | センノシド (生薬) | 大腸にいる腸内細菌によって分解され、分解性生物が大腸を刺激する 妊婦・授乳中を使用を避ける |
刺激性瀉下成分(大腸) | ダイオウ (生薬) | 大腸にいる腸内細菌によって分解され、分解性生物が大腸を刺激する |
刺激性瀉下成分(大腸) | アロエ (生薬) | 大腸にいる腸内細菌によって分解され、分解性生物が大腸を刺激する |
刺激性瀉下成分(大腸) | ビサコジル | 特に結腸・直腸の粘膜を刺激 |
刺激性瀉下成分(大腸) | ピコスルファート | 胃や小腸で分解されない |
無機塩類 | 酸化マグネシウム | 糞便中の水分量を増して大腸を刺激 腎臓病の人は高マグネシウム血症を生じる |
無機塩類 | 硫酸マグネシウム | 糞便中の水分量を増して大腸を刺激 腎臓病の人は高マグネシウム血症を生じる |
浸潤性下剤 | ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS) | 糞便中の水分を増して柔らかくする |
生薬成分 | マルツエキス | 比較的作用が穏やか 乳幼児の便秘に用いられる |
・腸の急激な動きに刺激を受け、流産・早産を誘発するため、妊婦は使用してはいけない
・乳汁中に移行し、乳児に下痢を起こすため、授乳中の方は使用してはいけない
・漫然と継続しようとしてはいけない
ヒマシ油・ビサコジルはよく問題に出てきます。
小腸に効くのはヒマシ油だけですね!
【登録販売者】腸の薬についてのまとめ
体の冷えや、消化不良、ストレスによっても腸内環境は乱れてしまいます。また、医薬品の副作用や、加齢による腸の運動低下も下痢や便秘の原因になります。整腸剤で、腸内環境を整える手助けをしてあげたり、下痢や便秘のため、生活に支障が出てしまうときは、一時的に市販薬で症状を緩和してあげ、症状が続く場合や、発熱・激しい下痢や腹痛、嘔吐がある場合は医療機関を受診することが大切です。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。本日も学習、お疲れ様でした。