【登録販売者】第3章 主な医薬品とその作用”かぜ薬”についての独学勉強法!

登録販売者試験のかぜ薬について解説

こんにちは、医療事務兼登録販売者のサトヨと申します。

こちらの記事では、登録販売者試験対策の第3章にあたる『かぜ薬』について解説しております。

私は独学で登録販売者試験に合格いたしまして、テキスト4冊とYouTubeを使って学習しました。
大事なポイントを押さえ、スクロール形式で、みなさまの学習がはかどるよう記事をまとめましたので、宜しかったら活用していただけると幸いです。

風邪薬には色々な成分が入っていますので、風邪薬から成分の基本的な働き成分名をいくつか覚えることで、後々勉強する内容と重複する部分があり、スムーズに学習が進められます

それでは解説に入ります。

目次

【登録販売者】風邪(かぜ)とは8割がウイルス感染!

⚪︎かぜの8割はウイルスの感染が原因

⚪︎単一の疾患ではなくかぜ症候群という。

⚪︎かぜ薬は、ウイルスの増殖を抑えたり、体内から除去するものではありません
(病気の原因を除くのではなく、現れた症状に応じて治療する対症療法である)

⚪︎症状がはっきりしている場合には、その症状を緩和させる薬を選択
(例:熱がつらい→解熱鎮痛剤・鼻水がひどい→鼻炎のお薬など)

⚪︎インフルエンザ(流行性感冒)は、ウイルスの呼吸器感染によるもの
(かぜとは区別して扱われる)

サトヨ

ウイルスの種類は200種類以上です。

誤った解答例
  • 風邪の8割は細菌が原因である
  • 風邪薬はウイルスの増殖を抑えたり、除去するものである
  • できる限り多くの症状に対する成分が配合されているものが良い
  • インフルエンザは、インフルエンザ菌の呼吸器感染である
サトヨ

風邪もインフルエンザもウイルスが原因ですね。

ウイルスと細菌の参考イラスト

【登録販売者】市販されているかぜ薬(総合感冒薬)を参考にした成分表

実際、市販薬にはどのようにお薬が配合されているのか見てみましょう!

注:あくまでも、どのような作用の成分が入っているのかご参考にして下さい。商品名(例:バファリンA・バファリンライトなど)によって、配合されている成分・成分量は変わります。

【ベンザブロック】

成分成分名成分量
解熱鎮痛成分イブプロフェン
解熱鎮痛成分アセトアミノフェン
抗ヒスタミン成分d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
副交感神経遮断成分(抗コリン成分)ヨウ化イソプロパミド
抗炎症成分トラネキサム酸
鎮咳成分ジヒドロコデインリン酸塩
気管支拡張成分(アドレナリン作動成分)dl-メチルエフェドリン塩酸塩
中枢神経興奮成分無水カフェイン
ビタミン類ヘスペリジン
ベンザエース】の添付文書

【パブロン】

成分成分名成分量
解熱鎮痛成分アセトアミノフェン
抗ヒスタミン成分クロルフェニラミンマレイン酸塩
鎮咳成分ジヒドロコデインリン酸塩
気管支拡張成分(アドレナリン作動成分)dl-メチルエフェドリン塩酸塩
去痰成分グアイフェネシン
中枢神経興奮成分無水カフェイン
ビタミン類リボフラビン
パブロン】の添付文書

ルル

成分成分名成分量
解熱鎮痛成分アセトアミノフェン
副交感神経遮断成分(抗コリン成分)ベラドンナ総アルカロイド
抗ヒスタミン成分クレマスチンフマル酸塩
抗炎症成分トラネキサム酸
鎮咳成分ジヒドロコデインリン酸塩
気管支拡張成分(アドレナリン作動成分)dl-メチルエフェドリン塩酸塩
去痰成分ブロムへキシン塩酸塩
中枢神経興奮成分無水カフェイン
ビタミン成分ベンフォチアミン
ルル】の添付文書

成分一覧から、答える問題が増えてきています
お薬を販売する上で、飲み合わせ・副作用の観点から添付文書を確認することはとても重要なことです。

サトヨ

かぜ薬、ざっと見ただけでも色んな成分が入っていますね。かぜ薬は色んな成分を寄せ集めて、色んな症状に対応できるように作られています。

【登録販売者】かぜ薬の成分は主に10種類の成分が配合されている

登録販売者:①解熱鎮痛剤成分 

解熱鎮痛剤成分は、発熱を鎮め・痛みを和らげる働きをします

成分名注意
アスピリン(サリチル酸系)15歳未満の小児使用✖️・出産予定日12週以内の妊婦使用✖️
サザピリン(サリチル酸系)15歳未満の小児使用✖️
サリチルアミド(サリチル酸系)インフルエンザ・水疱瘡時、15歳未満は医師に相談
エテンザミド(サリチル酸系)インフルエンザ・水疱瘡時、15歳未満は医師に相談
イブプロフェン15歳未満の小児使用✖️・出産予定日12週以内の妊婦使用✖️
アセトアミノフェン                 −
かぜ薬に配合される解熱鎮痛剤成分表
サトヨ

小児にはアセトアミノフェンですね!
病状が急変しやすい小児は出来る限り医療機関の受診が最善です。

登録販売者:②抗コリン成分(抗アセチルコリン)

抗コリン成分(抗アセチルコリン)は、くしゃみ・鼻水を抑える働きをします

抗コリン成分(抗アセチルコリン)とは

  • アセチルコリンが受容体にくっつこうとする動きをブロックし、副交感神経系の作用を遮断します。
主な成分名
ベラドンナ総アルカロイド
ヨウ化イソプロパミド
かぜ薬に配合される抗コリン成分表
副交感神経
副交感神経系の作用遮断
交感神経優位(抗コリンの働き)
  • 鼻汁の分泌
  • 唾液の分泌
  • 胃液の分泌(胃腸運動を活発にする)
  • 縮瞳
  • 眼圧低下
  • 心機能ダウン(心拍数が減る)
  • 尿道括約筋の収縮(トイレに行きたくなる)
  • 鼻汁が止まる
  • のどが乾く
  • 胃腸の働きが悪くなる(便秘になる)
  • 瞳孔がひらく(異常な眩しさを感じるため運転が危険になる)
  • 眼圧が上がる(緑内障の方は危険
  • 心拍数があがる(頻脈)
  • 尿が出にくくなる(排尿困難になるため前立腺肥大の方は注意)

副交感神経は線分泌を高めます。寝ている時は、副交感神経が優位になっていますので、寝ている状態の時を想像してみて下さい。朝、鼻水が喉に落ちてきていて喉が痛くなったり、よだれが出ていることがないでしょうか。 

サトヨ

交感神経はクマに出会ったときのイメージです。
驚いて目は見開き、クマがいつ襲ってくるのかわからないので、目に力が入ります(瞳孔が開く)。心臓はドキドキし、お手洗いに行ってる場合ではないですね。副交感神経は、交感神経の真逆の働きです。

クマの写真(交感神経が働くイメージ)

抗コリン成分の注意点

・中枢抑制作用があるため、眠くなります
・眼圧上昇作用があるため、緑内障の方は症状悪化を招きます
・便秘
・運転
・心臓病の方
・前立腺肥大の方

登録販売者:③抗ヒスタミン成分

抗ヒスタミン成分は、くしゃみ・鼻水を抑える働きをします

まずはヒスタミンの働きを学びましょう

ヒスタミンとは・・

  • 脳を起こしておく役割がある
  • 抗コリン作用も併せもつ物質
  • 身体を守るために働く物質

抗ヒスタミン成分とは・・

  • ヒスタミンの働きを抑える

ヒスタミンは、身体を守るために働いてくれるのですが、働きが強くなると、鼻水が大量に分泌されたり、痒みがひどくなったり、逆に身体がつらくなってしまいます。そこで、抗ヒスタミン成分はヒスタミンの働きを抑制し、過剰な働きを止める役割を担っています。

成分名注意
クロルフェニラミン
メキタジンまれに重要な副作用として、アナフィラキシーショック肝機能障害を生じる
クレマスチン
ジフェンヒドラミン
かぜ薬に配合される抗ヒスタミン成分表
サトヨ

○○(ア)ミン、○○ジンは、抗ヒスタミン成分に多いです。
※スコポラミンは抗コリン成分になります!

ヒスタミンの働き
抗ヒスタミンの働き
  • 鼻水の分泌・くしゃみを起こして、異物を外に出そうとする
  • 皮膚や目の痒みを起こして、その部位に異常が起きていることを知らせる
  • くしゃみ・鼻水を止める
  • かゆみを抑える

抗ヒスタミン成分の注意点

・中枢抑制作用があるため、眠くなります
・抗コリン成分と同じ副作用を起こす

登録販売者:④アドレナリン作動成分

気管・気管支を広げます

アドレナリン作動成分とは・・

  • 自ら受容体とくっつき、交感神経の働きを強める成分
主な成分名注意
メチルエフェドリン塩酸塩 
プソイドエフェドリン塩酸塩他のアドレナリン作動成分より強い効果があるため、試験に出題されやすい
かぜ薬に配合されるアドレナリン作動成分表
サトヨ

エフェドリンとだけ覚えましょう!

交感神経の働きを強める
(アドレナリン作動成分)
注意
  • 末梢血管の収縮による血圧上昇
  • グリコーゲンの分泌による血糖値上昇
  • 心拍数増加
  • 交換神経系の緊張によってもたらされる病気
  • 高血圧
  • 糖尿症
  • 心臓病
  • 甲状腺機能亢進症

注意する人:高血圧・糖尿病・心臓病・緑内障・前立腺肥大症・甲状腺機能障害の悪化

登録販売者:⑤鎮咳成分

咳を抑えます

主な成分名注意
コデインリン酸塩麻薬性(依存性が高い
ジヒドロコデインリン酸塩麻薬性(依存性が高い
ノスカピン非麻薬性 
デキストロメトルファン非麻薬性
かぜ薬に配合される鎮咳成分表
サトヨ

○○コデイン・コデイン○○は、コデインとだけ覚えましょう!

登録販売者:⑥去痰成分

痰の切れを良くします

主な成分名
グアイフェネシン
ブロムへキシン
かぜ薬に配合される去痰成分表

登録販売者:⑦抗炎症成分

鼻粘膜や喉の炎症による腫れを緩和します

主な成分名注意
トラネキサム酸凝固した血液を溶解されにくくするため、血栓のある人は専門家に相談
グリチルリチン酸二カリウム偽アルドステロン症を生じる
グリチルリチン酸は1日摂取量が200mgを超えなように用量が定められている
かぜ薬に配合される抗炎症成分表

令和4年3月の手引きより、セミアルカリプロティナーゼブロメラインは成分削除が行われたため、試験には出ません。

偽アルドステロン症とは

  • 血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず、高血圧・むくみ(ナトリウムと水が貯留して)・カリウム喪失などの症状が現れることです。グリチルリチン酸を大量摂取することで生じるおそれがあります。※グリチルリチン酸は甘味料にも入っていますので、知らず知らず食品からも摂取していることがあります。

登録販売者:⑧中枢神経興奮成分

鎮痛作用の補助をします

主な成分名注意
無水カフェイン抗ヒスタミン成分や鎮静成分による眠気が解消されるわけではない
カフェイン抗ヒスタミン成分や鎮静成分による眠気が解消されるわけではない
かぜ薬に配合される中枢神経興奮成分表

カフェインは1回摂取量は200㎎、1日摂取量は500㎎が上限となっています

登録販売者:⑨制酸成分

胃腸障害を軽減します

解熱鎮痛成分による胃腸障害を軽減します。制酸成分は中和反応によって胃酸の働きを弱め胃腸障害を緩和しますが、胃腸症状に対する薬効は標榜出来ません

酸化マグネシウム
水酸化アルミニウムゲル
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
かぜ薬に配合される制酸成分表

登録販売者:⑩ビタミン成分

粘膜の維持・疲労回復します

主な成分名
フルスルチアミン(ビタミンB1)
リボフラビン(ビタミンB2)
アスコルビン(ビタミンC)
かぜ薬に配合されるビタミン成分表

【登録販売者】かぜ薬についてのまとめ

第3章の始まりは、『かぜ薬』を学習する参考書がほどんどです。
かぜ薬は身近なお薬ですが、色んな成分が入っている為、最初から覚えることが多く、学習が嫌になってしまう方もいらっしゃるかと思います。私はいきなり第3章に苦手意識が芽生えてしまいました。。しかし、後々重複する成分が出てきますので、ここでじっくり成分の働きを覚えていきましょう。
冒頭でもお話したのですが、各成分の働きが分かれば、どういう症状のお薬に配合されて、どのようなことに注意しなくてはいけないのか分かるようになります
あとは、試験に出やすい成分名を中心にひたすら暗記します! 覚えたなと思ったら、数分後にまた成分名を書き出してみる・・長時間、集中するのは大変ですので、時間を小刻みにインプット→アウトプット→インプット→アウトプットを繰り返しましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。本日も学習、お疲れ様でした。

登録販売者試験のかぜ薬について解説

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
目次