【登録販売者】第3章 主な医薬品とその作用”皮膚に用いる薬”についての独学勉強法!

登録販売者試験の皮膚に用いる薬について解説

こんにちは、医療事務兼登録販売者のサトヨと申します。

こちらの記事では、登録販売者試験対策の第3章にあたる『皮膚に用いる薬』について解説しております。

私は独学で登録販売者試験に合格いたしまして、テキスト4冊とYouTubeを使って学習しました。
大事なポイントを押さえ、スクロール形式で、みなさまの学習がはかどるよう記事をまとめましたので、宜しかったら活用していただけると幸いです。

皮膚に用いれられる薬には、塗り薬・貼付剤・スプレーがあり、用途が幅広いため、覚えるのが大変かと思いますが、症状から、配合されている成分を理解し、少しずつ成分名も覚えましょう。

では、解説に入らせていただきます。

目次

【登録販売者】外皮用薬とは外用局所に直接適用される医薬品

外皮用薬は、皮膚表面に生じた創傷や症状、または皮膚の下にある毛根、血管、筋組織、関節などの症状を改善・緩和するため、外用局所に直接適用される医薬品です。

登録販売者:外皮用薬の種類と注意点

種類注意点
塗り薬(軟膏剤・クリーム剤)雑菌混入をを防ぐため、必要量だけ手の甲などに取ってから患部に塗布する
貼付剤(テープ剤・パップ剤)同じ部位に連続して使用するとかぶれ等を生じやすくなる
スプレー剤・エアゾール剤・目の周囲・粘膜への使用避ける
・噴射する場合は3秒以内が望ましい
外皮用薬の種類と注意点表

【登録販売者】傷口等の殺菌消毒成分

殺菌消毒薬は、比較的小さな切り傷、擦り傷、掻き傷等の創傷面の化膿を防止し、手指や皮膚を消毒目的として使用される医薬品です。

代表的な成分の特徴と消毒効果を覚えましょう。

登録販売者:アクリノール

黄色の色素である
・比較的刺激性が低く、創傷患部にしみにくい

    一般細菌     真菌     結核菌    ウイルス
⚪︎✖️✖️✖️
アクリノールの効果表

登録販売者:オキシドール(過酸化水素水)

・発生する酸素による泡立ちに洗浄効果が得られる
・作用の持続性が乏しく、組織への浸透性も低い

    一般細菌     真菌      結核菌    ウイルス
⚪︎✖️✖️✖️
オキシドールの効果表

登録販売者:クロルヘキシジン

    一般細菌       真菌       結核菌     ウイルス 
⚪︎⚪︎✖️✖️
クリルヘキシジンの効果表

登録販売者:陽性界面活性成分(ベンザルコニウム・ベンゼトニウム)

・石けんとの混合により殺菌消毒効果が低下するため、石けん分をよく洗い落としてから使用する

    一般細菌    真菌    結核菌   ウイルス
⚪︎⚪︎✖️✖️
陽性界面活性成分の効果表

登録販売者:ヨウ素系殺菌消毒成分

・殺菌力はアルカリ性になると低下する
・石けん等と併用する場合は、石けん分をよく洗い落としてから使用する

    一般細菌     真菌     結核菌   ウイルス
⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎
ヨウ素系殺菌消毒成分

ポビドンヨード

・ヨウ素をポリビニルピロリドンと呼ばれる担体に結合させて水溶性としたもので、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示す

ヨードチンキ

・皮膚刺激が強く、口唇などの粘膜や目の周りへの使用は避ける
化膿している部位では、かえって症状を悪化させてしまう

【登録販売者】痒み・腫れ・痛み等を抑える成分

登録販売者:ステロイド性抗炎症成分

ステロイド性抗炎症成分は、よく『ステロイド剤』といわれるものです。
末梢組織(患部局所)における炎症を抑える作用を示し、かゆみや発疹等の皮膚症状を抑えます

主な成分名
デキサメタゾン
プレドニゾロン
ヒドロコルチゾロン
ステロイド性抗炎症成分表

・体の一部分に生じた湿疹・皮膚炎・かぶれの一時的な症状の緩和を目的としているため、広範囲の皮膚症状や、慢性の湿疹を対象とするものではない
・末梢組織の免疫機能を低下させるため、化膿している患部についてはかえって症状を悪化させてしまう

サトヨ

成分名にゾン・ゾロンとつくとステロイド性抗炎症成分だ!と覚えられますね。

登録販売者:非ステロイド性抗炎症成分〈鎮痒成分〉

皮膚の炎症による痒みやほてりを緩和します

主な成分名特徴
ウフェナマート副作用として、刺激感(ヒリヒリ感)・熱感・乾燥感が現れる
非ステロイド性抗炎症成分名

登録販売者:非ステロイド性抗炎症成分〈鎮痛成分〉

プロスタグランジンの産生を抑えて、関節痛・筋肉痛・打撲・捻挫等の痛みを緩和します

主な成分名特徴
インドメタシン11歳未満の小児向けの製品はない
ケトプロフェン光線過敏症
ピロキシカム光線過敏症
非ステロイド性抗炎症成分表 

登録販売者:非ステロイド性抗炎症成分(その他の成分)

吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑えます。通常、にきび治療薬に使用されます。

成分名
イブプロフェンピコノール
非ステロイド性抗炎症成分(その他の成分)名

登録販売者:局所麻酔成分

すり傷、切り傷等の創傷面の痛みや、湿疹、皮膚炎、虫刺され等による皮膚のかゆみを和らげます

主な成分名
リドカイン
ジブカイン
アミノ安息香酸エチル
局所麻酔成分表

登録販売者:抗ヒスタミン成分

ヒスタミンの働きを抑えることにより、一時的かつ部分的な皮膚症状(腫れ・かゆみ・ほてり)を緩和します

主な成分名
ジフェンヒドラミン
クロルフェニラミン
抗ヒスタミン成分

登録販売者:局所刺激成分〈冷感刺激成分〉

皮膚表面に冷感刺激を与えて、軽い炎症を起こして反射的な血管の拡張による患部の血行を促します知覚神経を麻痺させることで鎮痛・鎮痒を和らげ、急性の腫れや熱感を伴う症状に適します。

成分
メントール
ハッカ油
ユーカリ油
カンフル
局所刺激成分〈冷感刺激成分〉表

登録販売者:局所刺激成分〈温感刺激成分〉

皮膚に温感刺激を与えて、末梢血管を拡張させて患部の血行を促します。

主な成分名
カプサイシン
ノニル酸ワニリルアミド
ニコチン酸ベンジルエステル
クロタミトン
局所刺激成分〈温感刺激成分〉表

・人によっては刺激が強すぎて、副作用として痛みが現れることがある
・保温器具で温めたり、入浴前後に使用すると低温火傷や強い痛みが生じやすくなる

登録販売者:収斂成分

患部に皮膜を形成し、皮膚を保護します

主な成分名
酸化亜鉛
ピロキシリン
収斂成分表

患部が潤滑または化膿している場合、深い傷の場合は、症状悪化を招く恐れがあるため使用を避ける

登録販売者:組織修復成分

損傷皮膚の組織の修復を促します

主な成分名
アラントイン
ビタミンA油
組織修復成分表

登録販売者:血管収縮成分(アドレナリン作動成分)

交換神経を刺激することにより、創傷面を通っている血管を収縮させ、出血を抑えます

主な成分名
ナファゾリン
血管収縮成分(アドレナリン作動成分)名
サトヨ

成分名の後ろが、ゾン・ゾロンはステロイド性抗炎症成分でしたね。
『ゾン』は『アドレナン作動成分』になります。

登録販売者:血行促進成分

患部局所の血行を促します

主な成分名特徴
ヘパリン類似物質抗炎症作用や保湿作用も期待される
血行促進成分名

【登録販売者】肌の角質化・かさつきなどにを改善する成分

角質化(皮膚の角質層が固く厚くなること)に伴う疾患とその特徴を理解しましょう!

登録販売者:角質化に伴う疾患と特徴

疾患特徴
うおのめ・機械的刺激や圧迫により、角質層が部分的に厚くなったもの
・角質の芯があるため、圧迫されると痛みを感じる
たこ・機械的刺激や圧迫により、角質層が部分的に厚くなったもの
・角質に芯はないため、圧迫されても痛みを感じない
いぼ・表皮が隆起した小型の良性腫瘍
・いぼは、ウイルス性のいぼ・老人性のいぼに大別できる
・ウイルス性のいぼは、1年〜2年で自然寛解することが多い
角質化による疾患と特徴についての表

登録販売者:肌の角質化、かさつきなどにを改善する配合成分

①角質軟化成分

主な成分作用
サリチル酸・角質成分を溶解する
・抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待できる
イオウ・角質層を構成するケラチンを変質させる
・抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待できる
角質軟化成分表
サトヨ

ケラチンは、第2章の皮膚構造で学びます。ケラチン=角質細胞であり、細胞間脂質(セラミド)と、皮膚のバリア機能を担っています。

②保湿成分

角質層の水分保持量を高めて、皮膚の乾燥を改善します

主な成分
グリセリン
尿素
白色ワセリン
保湿成分表

【登録販売者】にきびや吹き出物等を改善する薬

にきびや吹き出物は、皮膚に細菌が感染して化膿する『化膿性皮膚疾患』になります

登録販売者:にきびや吹き出物等の特徴

疾患特徴
にきび
吹き出物
皮膚常在菌であるにきび桿菌(アクネ菌)の毛穴での繁殖が原因で起こる
毛嚢炎(疔・ちょう)毛穴からの化膿菌の侵入が原因で起こる
とびひ(伝染性膿痂疹)毛穴を介さず、虫さされ・あせもからの化膿菌の侵入が原因で起こる
にきびや吹き出物等の特徴表

登録販売者:にきびや吹き出物等を改善する配合成分

抗菌成分

主な成分特徴
サルファ剤(ホモスルファミン)細菌のDNA合成を阻害することにより、抗菌作用を示す
パシトラシン細菌の細胞壁合成を阻害することにより、抗菌作用を示す
クロラムフェニコール細菌のタンパク質合成を阻害することにより、抗菌作用を示す
抗菌成分表
サトヨ

細菌の何をする成分なのか、問題に問われますので、しっかり区別して覚えましょう!

【登録販売者】みずむし・たむし等を改善する薬の特徴

みずむし・ぜにたむし・いんきんたむしの特徴を見てみましょう。

疾患特徴
みずむしほとんどの場合、に生じるが、まれに手にも生じる
ぜにたむし輪状の小さい丸い病巣が、胴や四肢に発生する
いんきんたむし内股にでき、尻や陰嚢付近に広がっていく
みずむし・ぜにたむし・いんきんたむしの特徴表

いんきん・たむし等は、皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌類の一種が皮膚に寄生することによって起こるため、抗真菌成分が配合されています。

登録販売者:抗真菌成分(イミダゾール系)

主な成分名
スルコナゾール
オキシコナゾール
ネチコナゾール
ミコナゾール
クロトリマゾール
抗真菌成分名表(イミダゾール系)

登録販売者:抗真菌成分(その他)

主な成分名作用
テルビナフィン皮膚系状菌の細胞膜を構成する成分の産生を防げる
シクロピロクスオラミン皮膚系状菌の細胞膜に作用し、増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げる
ウンデシレン酸患部を酸性にして、皮膚系状菌の発育を抑える
ピロールニトリン菌の呼吸や代謝を妨げる
トルナフタート・エキサラミド抗真菌成分として配合されていることがある
その他の抗真菌成分表

・湿疹とみずむし等の初期症状は類似していることが多く、湿疹に抗真菌成分を使用すると、かえって症状悪化を招くため、原因が分からないときは使用を避ける
・2週間程度使用しても症状が改善されない場合は医療機関を受診する

【登録販売者】頭皮・毛根に作用する薬

頭皮・毛根に作用する薬とは、毛髪用薬になります。

登録販売者:毛髪用薬の働き

毛髪用薬は、脱毛の防止・育毛・ふけや痒みを抑えることを目的として頭皮に適用する医薬品です。

配合成分とその分量からみて、人体に対する作用が緩和なもの・・医薬部外品
効能・効果に疾患名の記載があるもの(例:円形脱毛症)・・・・医薬品

登録販売者:毛髪用薬の成分

主な成分特徴
カルプロニウムコリン作用による頭皮の血管拡張や毛根への血行促進作用で発毛効果を期待
エストラジオール
(女性ホルモン成分)
脱毛は男性ホルモンの働きが過剰であることが一因とされているため、女性ホルモンによる脱毛抑制効果を期待
妊婦又は妊娠していると思われる方は使用を避ける
毛髪用薬の成分表

毛髪用薬生薬成分

主な成分特徴
カシュウ頭皮の脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く
チクセツニンジン血行促進・抗炎症作用を期待
ヒノキチオール抗菌・血行促進・抗炎症作用を期待
毛髪用薬生薬成分表

【登録販売者】皮膚に用いる薬のまとめ

皮膚に用いれられる薬は、塗り薬・貼付剤・スプレーとあり、その用途によって配合されている成分も様々でした。
消毒に用いる薬、湿布、虫さされの薬は、みなさん馴染みのあるお薬ではないでしょうか?もし、常備されているお薬の中や、普段お使いの皮膚に用いるお薬がありましたら、配合されている成分名をチェックしてみてください。身近に感じますと、成分名が思い出しやすくなります。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。本日も学習、お疲れ様でした。

登録販売者試験の皮膚に用いる薬について解説

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