こんにちは、医療事務兼登録販売者のサトヨと申します。
こちらの記事では、登録販売者試験対策の第3章にあたる『婦人薬』について解説しております。
私は独学で登録販売者試験に合格いたしまして、テキスト4冊とYouTubeを使って学習しました。
大事なポイントを押さえ、スクロール形式で、みなさまの学習がはかどるよう記事をまとめましたので、宜しかったら活用していただけると幸いです。
では、解説に入らせていただきます。
【登録販売者】婦人薬とは
婦人薬は血行不順や自律神経の乱れ、月経や月経周期に伴って起こる不快な症状を緩和するためのお薬です。
月経周期は、ホルモンの複雑な相互作用によって調節されています。
【登録販売者】婦人薬が対象となる体質と症状
月経 | ・子宮内膜がはがれ落ち、血液とともに排出される生理現象 ・脳の下部で産生されるホルモンと、卵巣で産生される女性ホルモンが月経周期に関与する |
月経前症候群 | ・月経の約10日から3日前に現れる ・感情の不安定、抑うつ等の精神症状や、頭痛・乳房痛・腹部膨満感等の身体症状 |
月経不順 | 過度のストレスや、栄養摂取の偏り、卵巣機能の不全の場合もある |
血の道 | ・月経、妊娠、分娩、産褥、更年期の生理現象や、流産、人工妊娠、中絶、避妊手術等を原因とする異常整理によっても起こる ・抑うつや寝つきが悪くなったり、神経質・集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態 ・発症する年齢は、必ずしも更年期にかぎらない |
閉経 | ・加齢とともに卵巣から女性ホルモンの分泌が減少していき、やがて月経が停止する ・妊娠可能な期間が終了する |
更年期 | 閉経前後で、体内の女性ホルモンの量が大きく変動する時期 |
更年期障害 | ・月経周期が不規則になる ・不定愁訴として、血の道症に加え、冷え性・腰痛・ほてり・立ちくらみ等の症状が起こる |
産褥 | 分娩後、母体が通常の身体状態に回復するまでの期間 |
私は女性ですが、『血の道』をいう言葉は、試験勉強するまで知りませんでした・・。
【登録販売者】婦人薬 市販薬を参考として成分表
実際、どのように配合されているか市販薬の成分を見てみましょう。
注:あくまでも、どのような作用の成分が入っているのかご参考にして下さい。商品名(例:バファリンA・バファリンライトなど)によって、配合されている成分・成分量は変わります。
【オーロラS】
成分 | 成分名 | 成分量 |
---|---|---|
女性ホルモン成分 | エチニルエストラジオール | − |
【命の母】
成分 | 成分名 | 成分量 |
---|---|---|
生薬成分 | トウキ | − |
生薬成分 | シャクヤク | − |
生薬成分 | センキュウ | − |
生薬成分 | ブクリョウ | − |
生薬成分 | ソウジュツ | − |
生薬成分 | タクシャ | − |
生薬成分 | ケイヒ | − |
生薬成分 | ボタンピ | − |
生薬成分 | ダイオウ | − |
生薬成分 | トウニン | − |
生薬成分 | ニンジン | − |
【登録販売者】婦人薬の成分
婦人薬は、女性ホルモン成分と複数の生薬成分が配合されたものがあります。
疲労時に消耗しやすいビタミンを補うためビタミン成分・滋養強壮のために配合される成分も一緒に配合されます。
登録販売者:女性ホルモン成分
女性ホルモンの分泌低下を補います
成分名 | 特徴 |
---|---|
エチニルエストラジオール | 軟膏剤や貼付剤のような外用薬で用いれられ、適用部位から吸収されて循環血液中に移行する |
エストラジオール | 軟膏剤や貼付剤のような外用薬で用いれられ、適用部位から吸収されて循環血液中に移行する |
エストラジオールとだけ覚えれば大丈夫です。
・妊婦の方は、胎児の先天性異常の発生が報告されているため、使用を避けます
・授乳中は乳汁中に移行するため、使用を避けることになっています
・長期連用により血栓症・乳がん・脳卒中を生じる恐れがあります
登録販売者:生薬成分
成分名 | 特徴 |
---|---|
サフラン | 女性の滞っている月経を促す |
コウブシ(香附子) | 女性の滞っている月経を促す |
センキュウ(川芎) | 血行を改善し、血色不良や冷え性状を緩和 |
トウキ(当帰】 | 血行を改善し、血色不良や冷え性状を緩和 |
ジオウ(地黄) | 血行を改善し、血色不良や冷え性状を緩和 |
サンソウニン(酸棗仁) | 鎮静作用 |
モクツウ(木通) | 利尿作用 |
ブクリョウ(茯苓) | 利尿作用 |
登録販売者:ビタミン成分
疲労によってビタミンが不足してしまうため、補給するためにビタミン成分が一緒に配合されています。
ビタミンB1 | 疲労時のビタミン補給 |
ビタミンB2 | 疲労時のビタミン補給 |
ビタミンB6 | 疲労時のビタミン補給 |
ビタミンB12 | 疲労時のビタミン補給 |
ビタミンC | 疲労時のビタミン補給 |
ビタミンE | 血行を促進 |
ビタミンEの血行促進以外は、ビタミン成分が入っているんだなという認識だけで大丈夫です。
【登録販売者】婦人薬 漢方処方製剤
私が試験を受けた際に、婦人薬は漢方製剤について問われた問題が出ましたので、見出しを大きめに取り上げております。
体力 | 漢方処方製剤 | カンゾウを含む | マオウを含む |
---|---|---|---|
比較的体力あり | 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) | ||
体力 中等度以上 | 桃核承気湯(とうかくじょうきとう) | ○ | |
体力 中等度 | 温清飲(うんせいいん) | ||
体力 中等度又はやや虚弱 | 五積散(ごしゃくさん) | ○ | ○ |
体力 中等度以下 | 温経湯(うんけいとう) | ○ | |
体力 中等度以下 | 加味逍遙散(かみしょうようさん) | ○ | |
体力 中等度以下 | 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう) | ○ | |
体力虚弱 | 四物湯(しもつとう) | ||
体力虚弱 | 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) |
漢方は体力を問われたり、カンゾウ・マオウを含むかも重要ですので、覚えるのが大変ですが、お客さまの状態に合わせた漢方を販売できるよ
うになるために頑張りましょう!!
【登録販売者】婦人薬の注意点!
・内服で用いる婦人薬は、比較的作用が穏やかで、ある程度長期使用することで効果が期待できます。
・1ヶ月程度服用しても症状の改善がみられず、日常生活に支障をきたす場合は医療機関を受診することが大切です。
【登録販売者】婦人薬についてのまとめ
婦人薬は、女性ホルモンと複数の生薬が配合されていました。漢方処方製剤も多数あります。
ホルモンバランスによって、女性の体調は様々な影響を受けます。特に漢方処方製剤ですと、体力の状態で適切な処方薬が変わりますので、必要とされている方に合った漢方をご説明してあげることが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。本日も学習、お疲れ様でした。